第一印象を決める香り

以前香害について書きましたが、
今日は香りが心に及ぼすロマンティックな面について…❤️

嗅覚は脳から直接出る神経の中で、
最も原始的かつ一番脳から近いところから出ている第一脳神経の嗅神経👃🏻

鼻の粘膜では、臭毛と呼ばれる嗅細胞のいわば枝葉で香りの分子をキャッチして

嗅上皮に溶け込み

嗅細胞でこれを電気信号に変換する

そしてこの電気信号は神経を通じて大脳辺縁系というところに伝えられ、
香りの感覚が起こります。

この香りが電気信号に代わった瞬間は快も不快もありません。
単なる電気信号。
これが大脳辺縁系という魚類や爬虫類で発達している古い脳の器官に伝わります。

大脳辺縁系は喜・怒・哀・楽の感情や、生物が生き延びるために必要な食欲・性欲・睡眠欲・排泄欲を司り、
また死や痛みや恐怖を忌避するという本能を担います。
ヒトは約400種類の嗅覚受容体を持つといわれ、
その組み合わせは無限にあり そのため数十万種類あるといわれるにおい物質を嗅ぎ分けることができる、
といわれています。

ほ乳類では大脳新皮質というものがこの大脳辺縁系の外側にあり
『愛・慈しみ・仲間意識・育み・理性』などがありますが、
嗅覚はこことは関係ありません。

もっと原始的な、固体や種の保存本能として認識されます。

そして、大脳辺縁系には『怒り・恐れ・喜び・悲しみ』という原始的な情動を『偏桃体』という部位があります。
偏桃体では、伝わってきた電気信号と情動とを関連付けて記憶させます。

つまり『怒り、恐れ、悲しみ』などは不快なので、これらの感情を揺さぶる香りは『クサイ!』と認識され、
『喜び』などは『いい香り♡』と認識されます。

相手に抱く恋心もこの認識を経ての感情です。

さて。来年発売予定のヘアプロダクトの調香のご依頼をいただきました。
香りが感情に訴えかける上記のプロセスにかかる時間はわずか0.2秒。

視覚で第一印象を決定するまでにかかる時間は3秒と言われているので、
出会った瞬間の本能的なジャッジはまず香りです。

それをクリエーションできるなんて、とても楽しみでありがたい経験🌿

第一印象を決めるだけでなく本能を揺さぶる香り…
また商品化の過程もシェアできたら、と思います。

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