弁財天と香
東洋の香の歴史を深掘りしていくと、
七福神のうち唯一の女性である弁財天さまに行きあたる。
音楽や美の神といわれている弁財天さま。
彼女の美と健康の秘密は、風呂と香にあったらしい。
【金光明最勝王経】より
釈迦の説法を民衆と一緒に聞いていた弁財天さまは、
その説法にとても感動した。
そこで、みんながいまの話を忘れず、早く悟りを開けるよう、また長寿でいられるようにと、
これまで彼女が秘密にしていた入浴の方法を伝えることにした。
その方法とは、32種類もの植物の香を入れた香料風呂のこと。
つねにこの風呂に入って身体を洗えば、
病気や悪夢、鬼神といった災難から身を守ることができるという。
菖蒲(カラムス)
桂枝(シナモン)
沈香(アガーウッド)
丁字(クローブ)
甘松(スパイクナード)
黒文字(リンデラ)
安息香(ベンゾイン)
肉荳蔲(ナツメグ)
藿香(パチュリー)
鬱金(サフラン)
をはじめとする32種類の天然香料。
想像しただけで香り酔いしそうな主張が強い面々だけど、
確かに抗菌・消炎・強壮効果はかなり高そう。
鼻腔からダイレクトに脳に届く香りを使って瞑想や厄払いをしていた智慧は、
こんなにも古くから継がれてきたんですね🌿